EX02 実際に資産運用をシミュレーションしてみた
前回、25歳独身の人が30歳で結婚し、31歳・34歳で子どもが生まれるケースをシミュレーションしました。今回はその続きとして、銀行口座に加えて保険(積立型)やNISAを使うと総資産の推移がどう変わるかを見ていきます。前回の記事を読んでいなくても、資産運用の部分だけで参考にしていただける内容です。
今回は、現在25歳で銀行口座に100万円の貯蓄がある、という設定にしました。このまま何もせず銀行口座だけで過ごした場合と、保険・NISAを使った場合を比べてみます。
① 銀行口座の残高を入力する
「(4)総資産」の「①銀行口座」に、現在の預金額として100万円を入力します。年間収支の黒字・赤字や、退職金・年金、下で入力する保険・NISAの積立・満期返戻は、すべてこの銀行口座に反映される仕組みです。
銀行口座だけだとどうなる?
この状態で⑤総資産推移を見てみると、40歳(2040年度)頃から総資産が減っていき、55歳(2056年度)の時点で▲132万円まで落ち込みます。同じ頃に配偶者が38歳で退職して収入が減ることに加え、子どもの生活費・教育関係費・学費などが増えていくタイミングが重なっているためです。
銀行口座は通常マイナスにはならないので、現実的に考えると、学費などのためにローンを組んで負債を抱えている状態に近いかもしれません。
② 保険(積立型)を試してみる
そこで、銀行口座の急激で長期的な減少やマイナスを避けるため、保険(積立型)とNISAを使って資産形成をしてみます。
保険(積立型)は、学資保険をイメージして、子どもが生まれた直後(本人31歳・34歳)から月額3万円ずつ、年率1%で積み立てる設定にしました。それぞれ子どもが中学生になる頃(本人45歳・48歳)まで積み立てたあとは積立をやめて運用だけを継続し、子どもが大学に入る前(本人48歳・51歳、2049年度・2052年度)に全額を受け取ります。
保険を使うとどう変わる?
⑤総資産推移を改めて確認すると、55歳時点で▲6万円まで改善しました。銀行口座(水色の棒)の減り方も、2040年度あたりからのカーブが先ほどよりなだらかになっているのが分かります。
③ NISAも試してみる
次に、NISAも組み合わせてみます。結婚する30歳(2031年度)から、銀行口座の残高がマイナスになる前の45歳(2046年度)まで、月額5万円を期待利回り5.0%で積み立てて、45歳で全額を受け取る設定にしました。
保険とNISAを組み合わせると?
保険とNISAの両方を使うと、⑤総資産推移は55歳時点で524万円まで改善しました。銀行口座の減り方は2040年度あたりからさらになだらかになり、途中でマイナスになる時期も無くなっています。
銀行口座だけを表示して確認する
グラフ下の凡例で「保険」「NISA」のチェックを外し、銀行口座だけを表示してみると、銀行口座そのものの残高も一度もマイナスにならずに推移していることが確認できます。保険・NISAの評価額だけが増えているのではなく、実際に引き出せる銀行口座の残高も安定していることが分かります。
総資産を安定させるヒント
今回は、保険(年率1%)・NISA(期待利回り5.0%)という前提でシミュレーションしましたが、これはあくまで仮定の利率であり、必ずこの通りになるとは限りません。NISAは利用する商品や市況によっては元本割れする可能性もあります。
一方で、学資保険のように受け取り時の利率がある程度保証されている商品もあります。将来を保証するものではないので、実際に使う場合は商品の内容をよく確認してみてください。
今回のように、総資産が大きく落ち込みそうな時期があらかじめ分かっている場合、銀行口座だけで乗り切るのか、保険やNISAなどで準備しておくのか、というのも検討材料の一つになりそうです。
今回の入力内容
- 前提:25歳独身→30歳で結婚→31歳・34歳で子どもが誕生(前回のシナリオを踏襲)
- 銀行口座:現在100万円。銀行口座だけの場合、55歳時点で総資産▲132万円
- 保険(積立型):学資保険①②を月額3万円・年率1%で積立→55歳時点で▲6万円に改善
- 保険+NISA:NISAは月額5万円・期待利回り5.0%で積立→55歳時点で524万円に改善
- 保険・NISAの利率はあくまで仮定です。ぜひ自分のケースでも、いろいろな利率や積立額を試してシミュレーションしてみてください。